【驚くべき生命力】 |
ホホバは、半砂漠地帯等にも自生する常緑の潅木で、温暖な気候に恵まれている我々日本人には想像もつかないほど過酷な環境の土地で50〜100年も生き続けるという驚くべき生命力を持っています。
ほとんどの植物が生き延びる事のできない過酷な環境でも、ホホバは抜群の耐久力を持って根を張っています。
ホホバの背丈は2〜3メートル。幹は太くありません。葉は、乾燥地帯特有の灰色がかった淡い緑色で、その表面は、沢山の毛と厚いロウ状物質で覆われています。これが、灼熱の太陽光を遮り、水分の蒸発を防ぎ害虫や細菌の侵入をくい止める役割を果たしています。
ホホバが植物の王様たるひとつの理由はその根の構造にあると考えられます。ホホバの根は背丈の約10倍の長さを持ちます。つまり地中を2〜30メートルも深い所まで潜っているという事。この様な根の深さは通常の植物では全く考えられません。
成熟したホホバの潅木は、花が咲き小指の先程の実をつけます。この実も、寒暖の差や乾燥などにも枯死する事なく時節を待って発芽し成木となります。 |
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【ホホバ抽出液】 |
ホホバの種子を切ると現れる乳白色の断面図。それを搾ってみると、うっすらと透明なオイル状のものが滲み出てきます。この液体が「ホホバ抽出液」。
染み出たホホバ抽出液を手や顔に塗ると、少量でとてもよく伸びる事がわかります。さらに、5分程置いて塗った部分を見ると、皮膚の下に深く浸透して、ベタつく感じは全くありません。ホホバ種子の50%を占めるこの抽出液は、搾れば搾るほど染み出てきて、ガラス瓶等に集めると美しい黄金色の液体となります。 |
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【ホホバ抽出液の3つの秘密】 |
ホホバが持つ他にはない秘密とは、まず第1に優れた「保湿性」。つまり、水分を保つ性質です。ホホバの種子は、胚(芽となる部分)と子房と硬い種皮からできていて、ホホバ抽出液は水の分子を失った状態の“ワックスエステル”となって子房に入り込み、胚を乾燥から守っています。
ホホバが乾燥地帯でも発芽できるたくましさの秘密は、この保湿力にあります。
第2はその優れた「浸透性」です。ホホバ抽出液は、金属の中にさえ浸透するといわれています。この事は、ホホバ抽出液の保水(保湿)性と表裏の関係にあるといえます。水を逃がさないということは、水の分子よりホホバ抽出液の分子の方が緻密で細かいという事。故に、非常に優れた浸透性をも兼ね備えているのです。
第3に挙げられるのは、その「安定性」と「恒常性」です。
通常の植物からとった油脂は、空気中で酸化・変質し、時として悪臭を放ちます。しかし、ホホバ抽出液は空気中に長く放置しても酸化・変質せず、温度変化にも強く、高い安定性と恒常性を持って品質をキープします。 |
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【ホホバ抽出液のみが持つ特殊な化学構造】 |
ホホバ抽出液の、最も注目すべき特徴は、油脂(脂肪酸とグリセリンのエステル)ではなく、蝋類(ワックスエステル)であるという事です。
ホホバワックスは、高級脂肪酸と一価又は二価の高級アルコールと結合したエステルで、一般動植物オイルには見られない、非常に珍しい直鎖の分子構造を持ち、驚く事に、人間の肌から分泌される皮脂と分子構造が近似にしている事が大きな特徴です。
ホホバ抽出液の抜群の浸透性は、この分子構造によるものとされています。さらにホホバ抽出液がエステル(脂肪酸とアルコールが結合し、水の分子を失った構造)である事が、高い安定性・恒常性を持ち、優れた保湿性を誇る理由といえます。 |